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【共に走る財団。一般財団法人かごしま島嶼ファンド 設立記念式典 開催レポート】

2025年10月15日。鹿児島市の「よかど鹿児島」にて「一般財団法人かごしま島嶼ファンド」通称=島嶼基金の設立記念式典が開催されました。島嶼基金の設立にあたり、これまでずっと走り続けてきたサポーターや関係者に囲まれ、新しい船出をお祝いいただけましたこと、心より感謝申し上げます。今回はその様子をお伝えしたいと思います。
島嶼基金の設立背景については以下の記事をご参考ください。
https://congrant.com/project/island_fund/14746
https://greenz.jp/2025/07/03/kagoshima-islands-fund/
多くの人の想いを乗せ、共に走る島の応援団「島嶼基金」出航
まずは代表理事の山下賢太より、主催者代表挨拶がありました。
設立にあたり、応援してくださった企業や団体、多くの個人に対するお礼を述べた後、次のような言葉がありました。
「私たち島嶼基金は、資金を支援するだけの存在ではなく、島々で挑戦する人々の日々の喜びや悲しみ、葛藤や苦悩のそばにいられる、そんな財団でありたいと思っています。」
「この先、人口減少や過疎、経済の縮小といった現実は避けては通れないかもしれません。だからといって島の未来を諦める理由にはなりません。私たちは島々をつなぐ海のようにこの先に訪れるどんな時代も人と人、心と心をつなぎながら志ある人々がその思いを形にしていけるよう共に走り続けることをお約束します。」

代表理事 山下より開会の挨拶
次に、鹿児島県・副知事 藤本徳昭 様よりご祝辞をいただきました。
全国初の離島に特化したコミュニティファンドとして課題解決や活性化、そして、災害に強い地域づくりへの期待の言葉がありました。

鹿児島県副知事 藤本徳昭 様
その後、テープカットへ。
代表理事の山下も含めて、以下の皆様と共に行いました。
<来賓>
鹿児島県 副知事 藤本徳昭 様
<企業パートナー>
株式会社鹿児島銀行 常務取締役 鳥丸陽一 様
<島嶼基金 評議員>
一般社団法人サステナブル経営推進機構 理事長 石田秀輝
渕上印刷株式会社 代表取締役 門田昌子
<島嶼基金 相談役>
株式会社南日本放送 相談役 中村耕治
<島嶼基金 エリアパートナー>
一般社団法人のっちーよ種子島 代表理事 山田文香

テープカットの様子 多くの皆様に見守られながら、島嶼基金の出航を祝い、山下と副代表理事・村上裕希より、島嶼基金の設立経緯の説明がありました。

リトラボが立ち上がってからの成果(商品開発や事業マッチング、法人設立など)や取り組みの報告も。
続いて、離島引越し便というサービスを行う「アイランデクス株式会社」との事業検討を例に挙げ、民間企業含め、さまざまな機関や個人と共創しながら挑戦を続けたいと言葉がありました。

経緯説明後は、島嶼基金メンバーの紹介へ。
今回集まったメンバーは以下の通りです。
<理事>
山下 賢太(鹿児島離島文化経済圏 発起人)
古村 英次郎(株式会社Oldie-village 代表取締役)
上田 嘉通(一般社団法人離島総合研究所 代表理事)
麓 憲吾(NPO法人ディ! 代表理事)
村上 裕希(一般社団法人E’more秋名 代表理事)
山本 美帆(株式会社しまのみなと 代表取締役)
山﨑 晋作(NPO法人みしまですよ 理事長)
<幹事>
本田 勝規(東京大学大気海洋研究所 特任専門員)
岩切 剛志(鹿児島県民交流センター 館長)
<評議員>
石田 秀輝(一般社団法人サステナブル経営推進機構 理事長)
門田 晶子(渕上印刷株式会社 代表取締役)
<相談役>
中村 耕治 様(株式会社南日本放送 相談役)
<外部アドバイザー>
林 篤志 様(株式会社paramita 代表取締役)
鯨本 あつ子 様(NPO法人離島経済新聞社 代表理事)
<エリアパートナー>
埜口 裕之(株式会社トカラnanairo 代表取締役)
山田 文香(一般社団法人のっちーよ種子島 代表理事)
栄 雄大(宇検村地域プロジェクトマネージャー)
2025年度テーマ型助成事業「未来をつなぐチャレンジプロジェクト」始動

理事 上田嘉通
式典も中盤へ。理事の山崎晋作と上田嘉通より島嶼基金HP公開と2025年度テーマ型助成事業の公募スタートのお知らせがありました。
島嶼基金HPはこちら。
https://island-fund.org/

2025年10月15日に公開された島嶼基金 トップページ(制作協力:株式会社TSUZUKU、株式会社ミカタ)
「寄付で島に貢献したい、何かしらお手伝いをして貢献したい、島と一緒に何か連携をしたい、そういった思いを島嶼基金が船となって島々につなぎ、そして未来へつないでいく。そういった思いを込められたホームページです。」
「このホームページは応援をしたい、島で挑戦をしたい、そういった人たちをつなぐ場です。また、島嶼基金の活動を伝えたり、島での暮らしや挑戦の様子を伝えるメディアとしての役割も担っています。」

式典当日に公開された島嶼基金HP完成の報告の様子:理事 山﨑晋作
2025年度テーマ型助成事業の公募についてはこちら。
https://island-fund.org/grant-1015.html
●重点テーマ(3領域):環境/産業振興/教育・文化
●枠組み:テーマ型助成(資金+伴走・資源提供)
●対象:鹿児島県内の有人離島でチャレンジする個人・団体・法人
●助成条件:上限50万円/件、採択最大3件、総事業費の100%まで助成可
●スケジュール:公募開始(式典当日)~11月14日締切、12月中旬~後半採択決定、年明け助成事業開始
●伴走支援:資金に加え、人材・ネットワーク紹介、実務ノウハウ、地域関係構築支援
●事業指定寄付/冠基金:挑戦者の提案に寄付者が案件選択支援、大口寄付者と共同設計する冠基金を用意

2025年度テーマ型助成事業について説明を行った
その後、株式会社南日本放送 相談役 中村耕治様、そして、今回参加できなかった島嶼基金のエリアパートナーからエールの言葉がありました。
「島嶼基金に象徴されるような、次の新しい世代の人たちの活動ネットワークというのは地方の希望です。この希望を応援するのがこれから島嶼ファンドの裾野を広げていくんだと思っています。」(中村様)

株式会社南日本放送 相談役 中村耕治 様

エリアパートナーからのエールを動画にて鑑賞する来場者
エリアパートナーより取り組み事例紹介
今回の式典に参加したエリアパートナーからは取り組み事例を紹介する時間も。今までの取り組みを踏まえて、島嶼基金に対する想いを語ってくれました。
一人目は、栄雄大さんから。奄美大島の宇検村の地域おこし協力隊としてUターン後、高齢者との仕事づくりや教育を軸にした取り組みの紹介がありました。一人ひとりを大切にした教育を展開したい栄から次のような期待が述べられました。
「島嶼基金への期待というのは、島の挑戦者をつないでいくということと、島の誇りと希望を育んでいく財団になったらいいなというふうに心から思っております。島に住んでいることが、それだけで誇りに思えるような、そういった島を作っていくことで、島が未来につながっていくんじゃないかと思っています。」
「そして希望というのは、時間の経過とともにこの状況がより良くなっていくということなんじゃないかと思います。5年後、10年後、この島はどうなっていくんだろうという時により良いイメージ、よりもっと未来は明るくなっていくというイメージが持てる島になったらいいなというふうに思っています。」

エリアパートナー 栄雄大さん
二人目は、山田文香さん。
2019年に法人を設立するも翌年コロナに直面し、しばらく事業が進まず、廃業を選択肢として考えていたといいます。そんな時、島嶼基金の発起人である山下からの声かけで、熊毛リーダーズスクールに参加してから同じ志の仲間が増えたのがターニングポイントだったそうです。
「同じ熊毛郡の種子島、屋久島、口永良部島、近くの島々でいろんなことに挑戦している人たちがいて、すごく刺激的でした。また、同じ島内でも知らなかった人たちに出会うことができて、種子島で語り合える仲間ができたということは、今でも大きな財産になっています。」
「その後、さまざまな取り組みをさせていただく中で感じたのは自分一人で一歩を踏み出すのは本当に勇気がいるということ。でも、一歩踏み出さえすれば、その後、自分で歩けるんだなということを身をもって実感しました。お金だけじゃないけど、お金がないと前へ進めない時もあります。人とのつながりがないと、孤独感に苛まれて動けなくなってしまう時もあると思います。そういう人たちを救い上げるのが島嶼基金の役割なのではないかなと思っています。」

エリアパートナー 山田文香さん
三人目は、埜口裕之さん。自身の取り組みを紹介しつつ、今年発生したトカラ列島(※)地震における島嶼基金の対応に触れ、当事者として感じたことを次のように述べました。
「地震が発生すると、島嶼基金はまずサポートチームを立ち上げて、みんなで情報共有しながら、財団として何ができるかを考えてくれました。その後、悪石島と小宝島の自治会長、そして村議会議員とも意見を交わし、必要な支援内容を整理した上で、村役場を訪問し、村長から直接お話を伺いました。」

十島村役場にて
「トカラ列島近海で頻発する地震を受け、島外避難が決定し、最大71人が避難しました。しかし、仲間がいない、普段馴染みがないところで、長期間過ごすことはストレスがかかってしまいます。そんな時のため、日常から頼りになる仲間を育んでいくことが大事だと感じたんです。島嶼基金が掲げている“共に走る財団”“いつでもそばにいる”という理念が本当に必要なんだと痛感しました。また、有事の際に“自分たちは元気だよ”と情報発信する場を作れるようなことを財団には期待しています。」
(※)トカラ列島は、屋久島と奄美大島の間に位置し、七つの有人島(口之島、中之島、諏訪之瀬島、平島、悪石島、宝島、小宝島)といくつかの無人島からなる湿潤亜熱帯気候に属する島々のこと。

エリアパートナー 埜口裕之 さん
寄付支援者よりメッセージ
寄付支援者を代表して2組からエールが送られました。まずは、株式会社鹿児島銀行 地域支援部部長 永仮克範 様から。
「鹿児島県に限らず、日本各地に多くの島々があり、世界から見れば日本自体も島国と呼ばれます。そういうことを考えますと、この島嶼基金の活動はきっと日本や世界に先駆けるモデルケースとなるはずです。そんな財団になっていかれることを心から願っております。」

株式会社鹿児島銀行 地域支援部部長 永仮克範 様
二組目は「沖永良部島e-taba未来基金設立準備委員会」発起人 外山利章 様と島嶼基金 理事の古村より。
「沖永良部島の未来基金だけでなく、鹿児島の離島に関わる財団が立ち上がったのはとても心強いです。自分たちの島を自分たちの手で作っていく、そのためのお金を循環させていく仕組みを皆様と共に作っていければと思っております。」

沖永良部島e-taba未来基金設立準備委員会 発起人 外山利章 様(写真右) 島嶼基金 理事 古村英次郎(写真左)
島嶼基金設立の伴走支援者よりメッセージ
島嶼基金設立において、継続的に支援・助言をいただいた「一般社団法人全国コミュニティ財団協会」事務局長の石本貴之様からもエールをいただきました。
「コミュニティ財団は、これまで目を向けられていなかった課題にきちんと市民の目で”これが大事なのではないか?”ということを声を上げ、さらにその声をちゃんと聴き取った上で助成をしていく、市民性・運動性を大切にしたものではないかと考えています。私たちとしても、これから島嶼基金の皆様と一緒に共に走って支えていくということを続けていきたいと思っております。」

一般社団法人全国コミュニティ財団協会 事務局長 石本貴之 様
ワークショップ
式典も終盤に差し掛かり、ワークショップへ。
島嶼基金メンバー、式典に参加された関係者(民間企業、行政、団体など)と共に以下の3つについて考える時間となりました。
<ワークショップのテーマ>
・島嶼基金と一緒に何かできるアイデア
・島嶼基金に期待すること
・鹿児島の島々の理想の未来
※時間は15分。
※各グループにつき3~4人、必ず一人は島嶼基金のメンバーが1人入る。

理事兼務事務局長 山本美帆よりワークショップの説明
理事 麓憲吾


ワークショップ後、2グループより内容の共有の時間があった 写真は株式会社paramita 代表取締役 林篤志 様
閉会の挨拶
式典もついにフィナーレへ。
閉会の挨拶を理事の麓憲吾よりいただきました。
「私たち島嶼基金では限られた条件・人材・エリアの中で、島の未来へと挑む人々の存在があります。これまでリトラボや県内離島コミュニティを通じて、島の課題共有や勇気を与え、肩を叩き、島心の共有をさせていただき、相互扶助ならぬ島同士の島互扶助の関係を深めてまいりました。」
「しかしながら、島だけでは乗り越えられない障壁、課題が山積なども事実でございます。そのために、島嶼基金という船を作り、皆様からのご支援、ご協力をいただきながらこうして新しい船出を迎えることができました。荒波に揉まれたり、座礁しかけたり、島時間の運航もあるかと思いますが、これからまた皆さんと共に島の未来を切り開いていきましょう。」

理事 麓憲吾

フィナーレは会場の全員で集合写真
ご出席、ご協力いただいた皆さん、新しい船出に伴い、お祝いの時間を共有してくださり、ありがとうございました。
今回、この財団の設立にあたり、全国各地から島を思い、応援してくださった企業様や団体、そして多くの個人の皆様、総勢837名の方々より1541万2千円もの設立賛同寄付とたくさんの応援メッセージをお預かりいたしました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
皆様の温かな思いがまさにこの財団の追い風となり、今日、こうして新しい航海を始めることができました。私たち島嶼基金は、資金を支援するだけの存在ではなく、島々で挑戦する人々の日々の喜びや悲しみ、葛藤や苦悩のそばにいられる、そんな財団でありたい。その想いを胸にこれから航海を続けていきます。
取材・撮影・執筆 上 泰寿(ケアの編集者)
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